◆肉屋の本棚/Vol.33『歴メシ! 決定版』
◆肉屋の本棚/Vol.33『歴メシ! 決定版』
歴史料理研究家の遠藤雅司さんは、世界各国の歴史的な料理を再現し、
実食するプロジェクト『音食紀行』の主宰者です。
この本は、歴史の流れの中で失われたり、失われつつあるレシピを、
資料や文献をもとに再現し、それを食していた時代の人々の生活を
感じてもらおう、というコンセプトで作られました。
発売日2022/12/20 出版社/晶文社
前半は、オリエントやヨーロッパの世界に存在した12の時代の、
ソクラテスやクレオパトラ、レオナルド・ダ・ビンチなどが
食していたものなど、計60品が紹介されています。
レシピについては、なるべく原点に忠実に再現し、
現代人にはちょっとキビシイな、というレシピは、
当時の雰囲気を活かして、類似した身近な食材で代用されているので、
美味しそうだな、と思えば、実際に作ることもできます。
後半は、それぞれの時代の食文化や料理の背景、
レシピ考案の過程などがエッセイとして書かれ、
その時代の人々の様子を知ることもできます。
食文化から、その当時の社会をのぞき見るような感じがして、
どのページも、かなり興味深く読みました。
【気になるページ】フビライとの宴 馬乞(マーチ)
レシピ P50 エッセイ P164
旅行記『東方見聞録』で有名なマルコ・ポーロが
元王朝のフビライに仕えていたころの記述から、
フビライが食べていたであろう料理を、
宮中の飲食司が書き残した書物から再現したもので、
『14世紀モンゴル風猫耳麺』と解説されています。
小麦粉と塩を水で練って棒状に伸ばし、一口大に切って、
親指の腹で伸ばし、猫の耳のような麺を作ります。
ラム肉と長ネギで酸味の効いたスープを作り、
猫耳麺を入れて煮込めば完成。
身体がポカポカと温まって、冬にはオススメなのだとか。
この料理、ラム肉は千切りとぶつ切りの両方を入れることになっていますので、
『ラムしゃぶ』を切って入れるのはいかがでしょうか?
https://www.jingisu.com/c/mutton/1140
これからどんどん寒くなりますから、
時には、こんなお料理で暖まりたいですね。
オラは、世界各地の料理にすこぶる興味がある。
それと、昔の時代の料理にも。
モンゴルあたりは、羊肉の興味深い料理がいっぱいで、
いつかいってみたいもんだ。
そういえば、前に、モンゴル出身の力士が、
ウチのジンギスがうまいと言ってくれて、送ったことあったなー!