「お肉のよもやま話」料理で再発見!お肉の魅力、おいしい秘密 2024年5月号 | 【ジンギスカンと天然ジビエ/肉のスズキヤ】

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「お肉のよもやま話」料理で再発見!お肉の魅力、おいしい秘密 2024年5月号

週刊いな「お肉のよもやま話」2024.5.30
今回は1年を通して楽しめる猪肉についてご紹介させて頂きました!

 

馬を桜、鹿肉を紅葉と言うように、猪を牡丹と言う。
オラは、肉屋だから、その猪の肉の色合いや形状に注目して、
猪の肉を大皿に並べると、鮮やかな肉の彩が牡丹の花のようだから、とか、
肉を煮こむと脂身がちぢれて、牡丹の花のようになるから、という説に素直に納得しとった。
だから、「唐獅子牡丹」からの隠語だという説にハっとしたに。
「獅子に牡丹」の「獅子(しし)」を「猪(しし)」にとりなして「牡丹」を猪肉の異名としたんだって。

オラは「唐獅子牡丹」と聞くと昭和の任侠映画を思い出す。
「獅子に牡丹」っちゅー構図は「梅に鶯」「紅葉に鹿」「竹に虎」とかと一緒で、
調和のとれた美しい組み合わせとして日本古来から扱われてきとって、最高に縁起がいいんだって。
「百獣の王」の獅子と、「百花の王」の牡丹。縁起が悪いわけないもんなぁ。

だけど、この組み合わせ、もっと深い意味があって、オラはたまげたに。
無敵を誇る「百獣の王」獅子がただ一つ恐れるものが、体の中に寄生する虫。
「獅子身中の虫」っていうことわざは、ここからきとって、
味方でありながら災いをもたらす者などを意味するネガティブな言葉。

ただ、この虫は牡丹の花の夜露にあたると死んでしまうため、
獅子は夜になると、牡丹の花の下で眠る。
獅子にとって、牡丹の花は安心して休める隠れ場。
あるいは、牡丹は獅子の強すぎる霊力を抑え、コントロールする働きをしているという説も。
だから、「百獣の王」である獅子には「百花の王」である牡丹が欠かせんのだわな。

そんな牡丹は古くから、根が鎮静・鎮痛や血行障害改善など薬用に用いられてきた。
牡丹の「牡」はオスの意、「丹」は「赤」。
だから、強さや男気、正義を想起させ、任侠の世界で重要なシンボルになっとるんだわな。
だけど、やはり牡丹には、オラは女性を感じてしまう。

「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」。なんて言うしなあ。
オラが思うに、強い獅子を癒して支える牡丹の花は、肝っ玉かあちゃんのイメージだな。
肉屋のオラは、猪肉も牡丹もなんだか冬のイメージだと勝手に思っとったけど、
春のお彼岸には春に咲く牡丹の花に見立てた「ぼた餅」があるし、
けっこう1年中咲いとって、七十二候「牡丹華(ぼたんはなさく)」は、
春がゆき、夏が来る、ちょうどゴールデンウィークくらいの時期のものを春牡丹、
11月~年末に咲くのは寒牡丹、1~2月に咲くのは冬牡丹。

さて、玄宗皇帝といえば、楊貴妃を溺愛するあまり政治を顧みなくなったことで有名な王様。
玄宗皇帝は、牡丹を楊貴妃の美しさと同格に扱うほどだったみたい。
この時代には、しばしば「牡丹の宴」が開かれとったって言う。

国が傾いちゃ仕方がないけど、強い獅子を癒し支える牡丹の労を労う意味の「牡丹の宴」は有りだな。
「牡丹華」の頃と母の日は近いから、「牡丹の宴」を国民的行事にしたらどうずらか?
強くておいしい滋養のある「牡丹肉」と「牡丹餅」で、
「牡丹の宴」を催して、日頃の労を労う。

だけど、ウチの牡丹の花、女房殿が、1年に1回じゃなくて、
春夏秋冬オールシーズン労ってほしいと宣っておられるので、
百獣の王獅子のオラは頑張る所存ですに…。

投稿日:   カテゴリ: メディア掲載 告知, ▽ブログ  タグ: ,   投稿者: 鶏平

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