「お肉のよもやま話」料理で再発見!お肉の魅力、おいしい秘密 2024年6月号 | 【ジンギスカンと天然ジビエ/肉のスズキヤ】

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「お肉のよもやま話」料理で再発見!お肉の魅力、おいしい秘密 2024年6月号

週刊いな「お肉のよもやま話」2024.6.27
今回は「薬食いと信濃様」ついてご紹介させて頂きました!

 

薬食いと神農様

滋養をつけるために「薬」として

鹿や猪などの動物の肉を食べることを「薬食い」と言います。

俳句にも「薬食い」とっていう季語があるくらい。

 

オラの女房殿は薬屋の娘で、まったく人生想定外の肉屋に嫁に来ちゃったけど、

山肉を食べることは「薬」食いなんだから運命なのよ、と自分を納得させとる節があった。

そんな女房殿がこの間、実家から「神農様」の掛け軸をもらったと興奮して帰ってきた。

神農様は薬の神様で、わりあい古い薬屋だった女房殿の実家の

床の間に相当長い間かけてあったみたい。

子ども時分には、なんだかおっかない顔しとるなーぐらいで

気にも留めなかったらしいが、

今回ふと見たら鹿の角を持ってるっぽくて、

もういてもたってもいられなくなってもらってきたらしい。

大興奮でリサーチしまくった女房殿。

 

麋鹿(びろく・大きな鹿)と一緒に住んでおった中国の神様らしく、

狩猟、漁労が中心だった時代、穀物栽培のノウハウを編み出し、

鍬、鋤の原型となる農機具を発明し農耕による生活の安定を図ったとのこと。

また、油分の多い木を束ねてつくる松明を発明し、

人々に明かりと熱をもたらし、炎帝とも。

さらに日を定めて物資を交換することを始めて、

市場や交易の原型も築き、商売の神様とも。

ほいだもんで、中国文化の源とされて、

農業・火・医薬・商売の祖神として、ずっと信仰されたんだって。

 

そんな神農様がなんで薬の神様かっちゅーと、

自ら山に入り、草木とかを端から自分で服用して調べ、

薬になる物とその効能を人々に伝授しとったから。

ある日、草木の毒にあたって、木の下におったら、

一片の葉がひらひらと落ちてきて、

碗の中に入り、それを飲んだところ毒が消えた。

その葉がお茶であった、っちゅーエピソードから、

お茶の祖、お茶の神様とも言われてる。

 

遠山郷は実はお茶の産地だから、

もうすべて自分の運命に結び付けて、女房殿の興奮は高まる一方。

神農様が調べた薬草とかはその後「神農本草」として伝承され、

中国最古の薬物書と言われる「神農本草経」となったそうだに。

1年の日数と同じ365種類の植物・動物・鉱物が

薬として集録されとるんだってさ。

 

遠山郷でも「鹿肉は体を温める。布団を売ってでも鹿肉を喰え。

身ごもったら、鹿肉が良い」

なんて、ずっと言われてきたけれど、

鹿の薬用をちゃんと記した古代文献は、

実はこの「神農本草経」なんだって。

養命薬で、無毒で長期服用が可能で、身体を軽くし、

元気を益し、不老長寿の作用があると書かれとるみたい。

もうね、女房殿は大興奮!薬屋の私が山の肉屋に嫁ぐことは宿命だった!

なんて言い出す始末。

 

ところで、神農様は、縁日などで商売をする露天商にも崇められてる。

露天商はもともと、薬を売り、

街頭で治療をすることから始まったからなんだってさ。

露天商っちゃあ、映画「男はつらいよ」の主人公フーテンの寅さんを思い出す。

近い将来、神農様を店先に飾って、

滋養のある鹿肉と遠山のお茶を味わってもらう場所でも作るかな。

オラはもうちっと年取ったら、寅さんよろしく

「生まれも育ちも信州遠山…云々」っちゅーような

口上を述べちゃあ、夫婦漫才して

遠山郷和田宿のにぎわいづくりに一役買いたいなあと思っとりますに。

投稿日:   カテゴリ: メディア掲載 告知, ▽ブログ  タグ: ,   投稿者: 鶏平

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