「お肉のよもやま話」料理で再発見!お肉の魅力、おいしい秘密 2024年10月号
週刊いな「お肉のよもやま話」2024.10.24
今回のテーマは漫画「逃げ上手の若者」からのお話!
飯田焼肉おでん
あまりに馴染んじゃったもんで、
名前の由来なんて考えたことがなかった「おでん」。
「おでん」という名前の由来は諸説あるようだけど、
豆腐を竹串に刺し、みそを塗って焼く田楽にあるといわれとるんだって。
宮中に仕える女の衆が「お田楽」と呼んでいた言葉が
変化したものっちゅーのが有力だってさ。
そのうちに、魚とか、コンニャク、イモ類を使ったものとか、
焼かないで、ゆでて味噌を付けるなど、いろんな「田楽」が発生してったそうだ。
味噌じゃなくて、醤油味で煮込んだ、煮込みの田楽も作られるようになって、
いまのおでんにつながるっちゅーわけだ。
食文化は奥深いなぁ。
練り物で有名な「紀文」さんの「鍋白書」によると、
1997年から調査を開始した、実際に家庭の食卓にのぼった鍋のアンケートでは、
1位「おでん」、2位「すき焼き」、3位「キムチ鍋」で、
直近の結果もおでんが1位。
おでんは25年くらい連続でトップの座を守っちゃってる。
好きな鍋ランキングでも「おでん」は常に上位で、まさにおでんは日本の「国民食」だな。
おでんは、ダシや味付け、具、種の違い、
薬味やつけダレのあるなしなど、
その土地の名産を使ったご当地ならではのおでんがあるに。
全国各地で様々な味わいがあって、
全部食べたことなんてないけど、楽しくなる。
ご近所の静岡じゃ、黒はんぺん、真っ黒な汁が特徴の静岡おでん、
みそ煮込み・みそ田楽の愛知、
ほいで、遠く北海道じゃホタテやしらこを使うっちゅーし。
具材や食べ方など、思った以上に地域差があり、
俄然、ご当地おでんに注目したいに。
我が南信州飯田界隈、遠山郷じゃ、ネギ辛味おでん。
飯田ねぎだれおでんっちゅって、
「ご当地おでん」界隈じゃあ、存在感があるようだ。
おでんに、たっぷりの長ねぎに醤油を加えた、
風味の良いねぎしょうゆだれをかける。
飯田がねぎの産地だったとか、
信州蕎麦の薬味がネギだった流れだとか諸説あるらいしけど。
オラは、この飯田ネギダレおでんと飯田焼肉をコラボして
「飯田焼肉おでん」をやってみた。
飯田焼肉の定番部位の牛黒モツや豚カシラをおでん種にする。
そして、ネギダレをたっぷりかける。
もうね、おいしさのダブルハーモニーだに。
全国にもたしかに「肉おでん」は存在する。
肉系の筆頭は牛すじだけど、
静岡や名古屋は豚モツを使ったり、
沖縄は豚足、熊本は馬すじ、松江は鶏手羽先、
鹿児島はスペアリブを使ったりする。
ほいでも、肉おでんの地域は少ないから、
今なら「日本三大肉おでん」にエントリーできるぞ!
冬の飯田焼肉の〆はネギダレおでん、ってしてもいい。
オラは、山の肉屋だから、「ジビエおでん」に挑戦しようかなと思う。
遠山の蒟蒻とか、遠山の衆が大好きな
ビタちく(ビタミンちくわ)や揚げなんかも入れて。
時期によっちゃあ、タケノコやわらびなんかの
山の幸も種にするといいな。
ご当地色をどどんと出してみよう。
ようやく夜になると涼しくなってきた。
熱燗チビチビしながら、おでんの研究?に励めそうだに。